一夜の恋、それで十分じゃないか。
期間限定、それで上等じゃないか。
だからこそ楽しめるし、だからこそ振り返って懐かしむことさえできる。 過去は常にやさしく、美しい。それが悲しみであっても。
そうしてくるりくるりと相手を変えて、愛して愛して愛して愛して、そして 愛されて泣き笑う。抱くのも抱かれるのも心地がいい。だってそこには 愛があるんだから。
ねえ、言ってるだろう昔っから。俺は愛の国なんだって。
愛して愛されないと、しんでしまうんだよ。
だからいいじゃない、毎晩相手を変えたって。それだけ多くの人間から 愛されることができるんだから。昨日は相手が悪かっただけさ。ちょっと 愛情の示し方が特殊で、ちょっと力が強くって、ちょっと俺の仕事にまで 干渉したくなっただけだろう。それで会議に遅れたって、大丈夫上司が ちゃんと聞いてるよ。
だから、ねえ、そんなに目くじら立てることないだろう。
首を絞められたって死なない俺は、愛してるって言葉があればしあわせ なんだよ、知ってるだろう、なぁトーニョ。




永遠なんて望まないから
お前たちさえこの手には残らなかったのだから