日射しのうららかさに追い着かない冷たい風を浴びながら、剥ぎ取る ように脱がした制服の下には、いつもながら呆れるほど綺麗な身体。 運動なんかしてないくせに。これは天性のものですか?
今日は朝から気分最悪だから、ちょうど見つけたこいつにうんと優しく してやろうと思ったのに、抵抗なんかされたから、そんな気も失せた。 殴るよ? にっこりと笑えば、途端に強張って四肢が動かなくなった。 あーあーあ。俺なんかより、喧嘩、ずうっと強いくせにね。一体なにが したいの。あたまわるいの?
形のいい耳、筋の浮いた首、はっきりとした鎖骨、そうやってどんどん 下がっていって、目に付く端から執拗に甚振った。日に焼けていない 白い肌に噛み付いて跡を残す、その満足感。おんなのこの柔らかい 身体とは全然違う。固い。だけど亜久津の身体は綺麗だ。
唇を噛んで掌を当てて歯を食い縛って、声を殺そうと必死になっている 亜久津の耳元に顔を寄せて、ふっと息を吐いてやった。びくりと身体を 震わせたのは嫌悪からだ。それでいい。そういえば、うんと優しくして やろうとか思ってたんだっけ。そろそろ下に移ろうとしていた手をふと 止めて考える。どうしようかな。
亜久津が浅い呼吸をして怪訝そうに俺を見ている。俺がじっとしてると 不気味? 次に何されるかわかんないから? 俺を殴って逃げるなら このタイミングしかないだろうに、ほんっと頭悪いんじゃない?
うん、決めた。今日は泣くまで焦らしてやろう。ここが屋上だってことも 忘れて、その声聞いた人が欲情するくらい、泣き喚くまで。何回でも 天国の途中で引きずり落としてやろう。イイカオ見せてね、亜久津?