扉の前で立ち止まった気配に苦笑する。何をためらっているんだか。そうか、 ランボが来たか。この部屋に通ずる道は全ておさえられていただろうに、一体 どうしてここまで来てしまったんだろう。ずるずるとソファに身体を沈めて、声を かけた。ランボは唇を噛み締めて銃口をこちらに向けている。そんなにきつく 噛み締めたら痛いだろうに。それとも気づいていないんだろうか。
座り直して向き合って、いくつかの会話を交わす。10年前の記憶なんて既に おぼろげなものになっているけど、たとえ覚えていてもランボを殺すことなんか できなかっただろう。リボーンには甘いと言われるかもしれないけれど。
ボフンと立った煙の中に懐かしい姿が見えて、オレは思わず涙を零した。

「ツナ、どうかした?」

「大丈夫だよ、ありがとうランボ、優しい子」

「がははははっ、ランボさん、えらいんだもんね!」

そうだねと頭を撫でてやりながらまた1つ涙を零した。ほらやっぱり、オレには この子を殺せない。今もこの懐の中にクッションの下に、銃なんかいくらでも 隠されているのに。この子供だけじゃない。今のランボだって、もちろん。
今まで血に汚してきたこの手だけれど、身内の血だけは浴びたくないと思う。 そんな理由で辛い思いをさせてしまうオレを、許してとは言わないから。


オレがお前を愛したことだけ、どうか覚えていて。