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書類の山(誇張ではない。断じて!)を片付けると、珍しくリボーンが ジェラートを食いに行くぞと誘ってくれた。あのリボーンが! 俺を! ジェラートに! しかも、外で! 誘ってくれたのだから、一も二もなく 飛びついた。ラフな格好に着替えて、誰かが追加書類を持ってきたり しないうちにリボーンと2人、屋敷を出た。あの量だってみんなの力で 最低限にしてくれているのだとわかってはいるけど、それでもオレは 昔から机に向かい続けるのはどうも性に合わなくてだめなんだ。 どんなに座り心地のいい椅子でも、こう座りっぱなしじゃおかしくなる。 しかもスーツだし。屋敷の中なんかジャージでいいじゃないか。 2人で何を食べようかと話していると、前方から声がかかった。やあ。 ヒバリさんである。浮かれたオレは、ヒバリさんじゃないですか珍しい どうしたんですかこんなところで、あっオレたち今からジェラート食べに 行くんですよリボーンがおいしい店見つけて、ヒバリさんもどうです? なんてまくしたててから、気づいた。今日は、4時半から、ヒバリさんが 屋敷に来ておしゃべり(本当はもっと堅苦しい名前があるけど、そんな ものは無視だ)をする予定があった。現在時刻は4時。律儀なこの人 なら屋敷に向かおうとこの辺りを歩いていても、何もおかしくはない。 気づいて、はは、乾いた笑い声を立てたオレを見て何を思ったのか、 ヒバリさんはため息をついて、うっすらと微笑んだ。 「しょうがない子だね」 方向転換をして少し歩き、首だけ振り返って、どうしたの早く来なよ、 ジェラートを食べに行くんでしょう、ヒバリさんがそう言うまで、オレは 情けないことに固まって動けなくなっていた。だってヒバリさんのあの 顔ときたら! 慌てて走り出したら石畳に躓いて芸術的に見事にこけた。ダメツナめ と笑うリボーンは手なんか貸してくれない。1人で立ち上がって2人で ヒバリさんの少し後ろに並び、さっきのように話しながら、ヒバリさんの 優しさはリモーネのジェラートに似ていると、ふと思った。 |