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日差しが温かくて、うっかり寝入ってしまった。 降りないといけなかった駅よりも急行で三駅分、寝過ごした。ここより もう一つ手前には遊びに来たことがあるけど、ここは全く未開拓だ。 この後に予定があるわけでもないし、降りてみよう。往復の電車賃は 少し痛いけれど。 駅を中心に栄える町並みを歩き、河川敷に着いた。この川をどんどん 下れば僕の町に着くんだなぁと思うと、なんだか感慨深いような。 ここまで歩く途中、町の人たちに何度も声をかけられた。同じ年代の 人たちだけじゃなく、小さい子からお年寄りまで、老若男女問わず。 同じ顔をした人間は世界に三人いると言うし、そのうちの一人がこの 町に住んでいるんだろう。会えたら楽しそうだけど。どうかなぁ。 緑の混じる桜を眺めながら土手を歩いていると、向こうから高校生の グループが歩いてきた。男女入り乱れたグループの先頭を歩く顔は、 僕と同じ顔だった! 信じられないものを見たようなその顔が、僕と同じ顔が、違う表情が、 ああ、心の中で溢れていくよう。ぽこぽこと芽吹いていく、 |