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これで四度目になる生は、今まで転生した中で一番斉藤タカ丸に近い 姿で始まった。だから、あの人生をなぞるように美容師を志してみた。 髪も黄色く染めて、いくらか伸ばして、あっさり美容師になれた。 この姿で生きるんなら、あの時代の人たちにも会いたいなぁと、そんな ふうに思っていたある日、不破くんと竹谷くんが店に来た。懐かしい。 鉢屋くんや兵助くんはいないのと聞いてみると、まだ会えていないから 探しているのだとか。仲がいいね、相変わらず。 二人とも綺麗な髪をしていたから、会いたいなぁ。どうしてか鉢屋くんが 不破くんの顔でいると疑っていないらしい二人には悪いけど、できれば 素顔だといいなぁと思う。だってあの髪は素晴らしかった。鬘なんかで 隠しておくには、あまりにもったいなかった。だから、どうか素顔で。 ああ、鉢屋くんに会いたいなぁ。兵助くんの髪も艶やかでいいけれど、 僕、鉢屋くんの髪で抜けるほどあの髪が好きだったもの。 前の二回では鉢屋くんにも、あの髪に勝る髪にも出会えなかったけど、 今回は出会える気がするんだ。それも、近いうちに。 そんなことがあってから半年ほど経って、赤ちゃんを抱えた七松くんが 店に来た。昔は赤ちゃんをあやすつもりでお手玉にするような人だった のに、赤ちゃんの抱き方がすごく丁寧でびっくりした。この子の髪を切る のは初めてだから、切った髪は筆にしてほしいと渡された子の髪質で、 すぐにわかった。ああ、やっぱり出会えたね鉢屋くん。 |