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いやだ! 頑として譲らない私に母親はため息をついた。一息吸って、 聞き分けなさいと怒鳴る。それでもいやなものはいやだ。幹也を、私の 幹也を保育園に入れるだなんて! 理屈は分かる、分かっている。両親は共働きだし、現代ではお隣さんに 世話を頼むこともできないし、私も学校があるし(昔はあれほど贅沢で 楽しかった学校だが、義務付けられるとこんなにも窮屈だ)そして私は 以前にも幹也の公園デビューというものを邪魔しているのだ。 新聞の勧誘やスーパーのおばちゃんにもびくりとして姿を隠す幹也の、 人見知りを何とかする解決策として、それと実際の必要に応じて幹也を 保育園に入れるという、その理屈はわかるのだけれど。 だって、できることなら私は。 幹也を。私の弟を。弟として生まれてきた、この子供を。 誰にも見せたくないのだ。無理を承知で言うのなら、両親にだって。 じっと、ずっと、囲ってしまいたいのだ。 無理だと、分かっているけれど、それでも。 目を合わせていると、母親はすっと目をそらし、諦めた様子で呟いた。 寺門さんに、お願いしてみるわ。瞬間、私が歓喜の叫びを上げたことは 言うまでもない。 ああでも幹也、いさっくん相手だと泣くのだけれど大丈夫だろうか。 まぁいさっくんの高校が終わる前に私が迎えに行けばいいか! |